出張ぬりえワークショップ 「今日ははみ出してもいいんじゃない?」

学生による記事

*茨城大学の学生による記事です。ぜひご覧ください。

小美玉市四季文化館みの~れで活動する住民による自主事業団体「チームBIRDの森」が8月9日、私立納場保育園(同市納場)で園児たちに向けた出張ワークショップを行いました。ワークショップでは、オリジナル巻物や落ち葉ボックスを作る木製の部材にぬりえをします。ぬりえのデザインは、BIRDの生みの親でぬりえ作家の大嶽一省さんが描き、くちばしと二つの目、二本の脚があればどんな形も「ばーどぬりえ」になるという個性的で楽しい作品です。大嶽さんは「線画の外にはみ出ても、どんな色に仕上げてもイイよね!」「自分らしくぬりえしよう!」と思いっきり自由に表現することを提案しています。

※のびのびと思い思いにぬりえを楽しむ園児たち

 チームは、地球環境を守ることを常に意識しています。廃材を利用して落ち葉を集める「落ち葉ボックス」を作ったり、短くなったクレヨンを回収してリサイクルクレヨンにするなど、ぬりえに使用する画材は不要になったものを市内各所から集めて再生し、身近なことから環境問題に取り組んでいます。回収したクレヨンを溶かして固めたリサイクルクレヨンは、さまざまな色が混ざり合わさったダイヤモンド型で、 使う面によって色が変化し、園児たちの想像力をかきたてているようでした。園児たちは、自分が気に入ったクレヨンを握りしめ、あちこち移動しながらそれぞれの楽しみ方でばーどぬりえに取り組んでいました。

※「リサイクルクレヨン」に夢中になっている様子

チームBIRDの森の瀧澤比佐乃さんは、活動の目的を「アートの力で子供たちが自由に育つ環境を守ること」と話してくれました。「活動の最初に『今日ははみ出してもいいんじゃない?』と伝えるようにしています。ばーどに脚を書き足したり、帽子をかぶせたり。優しいタッチで塗ってもいいし、力強い表現をしていても、その子の個性が出ていて、素敵なアートだと思う」と語り、その言葉どおり、園児たちは自由に「ばーどぬりえ」を楽しんでいました。

※子どもたちの個性あふれるばーどたち

今回の取材で「子供たちが企画の狙いとは違う楽しみ方をしても、それすら楽しんでいる」と明るく答える瀧澤さんが印象に残っています。「はみだしていい」「自分の好きなように楽しんでいい」と子供たちに伝えながら「今の自分まで肯定されている気持ちになる」と温かい笑顔で話してくれました。のびのびと楽しむ園児を見ていた私も、とても温かい気持ちになり、チームBIRDの森の皆さんの優しさが伝播していると感じました。「今日ははみだしてもいいんじゃない?」。今の自分を肯定して、好きに楽しむことの大切さを改めて実感しました。

  • コメント ( 2 )

  1. 藤田佐知子

    納場保育園の子どもたちと一緒にぬりえをした楽しかった日を思い出しながら読ませていただきました。大学生の皆さんの膝にちょこんと座ってぬりえをしたら、隣にピッタリと座って一緒にぬりえをしたり子どもたちは楽しそうでしたね。また、ぜひ一緒に子どもたちのところへ行きたいですね。
    素敵なレポートをありがとうございました。

  2. たきざわ

    チームBIRDの森のアウトリーチ挑戦を紹介していただき、ありがとうございます。
    小さな子どもたちとの出会いとともに、皆さんのような若い方との出会いが、たくさんあることに感謝しております。

宮西慶

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長崎県長崎市出身。 茨城大学人文社会科学部です。 音楽を聞くことが好きです。

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