地域で輝く 成長と感動の舞台 ― みの~れ演劇ワークショップ ―

学生による記事

*茨城大学の学生による記事です。ぜひご覧ください。

住民が演劇の知識と経験をプロから学ぶため、年齢別に4クラスに分かれて全7回演劇ワークショップを行い、最終日に成果を発表する取り組みが8月6日に小美玉市四季文化館みの~れで行われました。

※成果発表は一般観客を入れて行われた

演劇ワークショップ参加者は計41名が参加し、小学校低学年、高学年、中学生、高校生以上の4クラスに分かれ、クラス別の作品を発表。客席から拍手喝采を浴びました。講師は、小美玉市出身で幼少期からみの~れ住民劇団演劇ファミリーMyuで育ち、俳優・モデル・演出家・振付師として活躍する廣木葵さんと、東京都出身で俳優・脚本・演出で多くの舞台で活躍する大野ユウジさんが務めました。廣木さんは小学校低学年のリトルクラスと高学年のジュニアクラスを担当し、自身が脚本・演出した「ココロの心」を上演。大野さんは中学生のミドルクラスと高校生以上のレギュラークラスを担当。それぞれ「Q学」「わが星」の一部を上演しました。

※小学低学年のリトルクラス

「ココロの心」は、演劇、ダンス、歌唱など盛りだくさんで、短期間で習得するにはハードな内容でもありましたが、主人公ココロの小学生ならではの悩みをうまく表現し、心温まる作品を作り上げました。「Q学」は、高校での選択授業科目「演劇」の時間を題材に、そこに集まる少し癖のある高校生を演じ、緊張感のある掛け合いや多様な表情を舞台で表現していました。「わが星」は、人が生まれてから死ぬまでの約100年と、星が誕生してから消滅するまでの約100億年を、時報を合図に重ね描いた作品で、一糸乱れぬ群読は観客の五感に響き、全6回のワークショップで完成させたとは思えない舞台に心を打たれました。

※中学生たちのミドルクラス

ジュニアクラスの主人公、ココロ役を務めた吉井桜月さん(小学4年生)は「あおちゃん(廣木さん)から演技の仕方を詳しく教えてもらいました。忘れないようにたくさん練習し、大きな声でセリフを会場内に響かせることと、素の私と役のココロをすぐに切り替えできるようにすることを大事にしました」と自身の成長を語り、今後も「ずっとみの~れでミュージカルを続けていきたい」と目を輝かせていました。

※ココロ役を演じた吉井桜月さん(写真左から4人目)

みの~れ住民劇団「演劇ファミリーMyu」代表の佐々木泉さんはレギュラークラスに参加。「成果発表を成功させるために、稽古の前にコミュニケーションゲームを行い、タイミングや反射神経、誰から誰へとつなぐなど、劇に繋がるように講師の大野さんが組み立ててくれました。言葉の意味や感情はあえて持たないよう意識し、世界観をしっかり作ることを心掛けました」と語ってくれました。今後は「いまみの~れで演劇ができるのは先人たちが努力して築き上げてくれたからで、そのことにとても感謝しています。次世代へ渡すため、私たち世代もこの環境を守る努力していきたい」と力強く語りました。

※高校生以上のレギュラークラス

リトルクラス、ジュニアクラスの講師を担当した廣木葵さんは、小学生の指導にあたり「距離感の遠い『先生』と思われないような関係づくりを心掛け、その一環で『あおちゃん』と呼んでもらうようにし、演劇に真剣に取り組みつつも気軽に話してかけてもらえるようにしました」と関係性の構築に配慮。「リトルクラスはどの役も同じくらいのセリフ量になるようにし、ジュニアクラスは今後の舞台づくりのことも考えて主役のセリフを多くしつつ脇役だからこそ輝けるような役づくりを意識するよう指導しました。脚本は、私の幼少期の経験から、子ども同士の勘違いをテーマに作り、大人たちが子どもの頃を思い出すような内容にしました」と廣木さん。

※講師の廣木葵さん

「私も小美玉市で育ち、ここでたくさんの講師と出会い、演劇だけでなく人間として大切なことを多く学びました。自分がみの~れで育ててもらったように、子どもたちに寄り添っていきたいです。地元だからこそ指導にも熱が入り、愛情も溢れますね」と語りました。

演劇ワークショップ成果発表を観て、一人ひとりが熱量高く発表し、輝いている姿に心を打たれました。実際に見学した前日の練習と本番当日を比較すると明らかな違いがあり、廣木さんも強調していたとおり、成長を感じられるような舞台でした。取材を通して、それぞれの出演者の思い、演出の思いに直接触れることができた貴重な経験をしました。

  • コメント ( 3 )

  1. こむぎ

    子どもたちの笑顔が最高ですね。
    素晴らしい経験になったと思います。
    記事を書かれた学生さんにとっても、心に響くものがあったようですね。
    自分が体験したことを記事にまとめるのは、大変だったと思いますが、どうぞこれからもいろんなことに挑戦していってください!

  2. overs24

    記事にもあるように、日々成長し激変していくのが舞台稽古の面白いところです。どのクラスも本番素晴らしい出来でした!講師のお二方も手応えを感じたことと思います。

  3. あお

    素敵な記事ありがとうございます!
    こうして俯瞰して、記事まとめていただけるととても嬉しく、やりがいを感じます。
    渡さんの熱心な取材のおかげで、私も講師として自分自身と向き合うことができました。

    ワークショップで講師ができることはほんの少しのきっかけを与えることで、あとは全て参加した皆さんがそこからどう努力し、変わっていくかだなと思っています!
    ありがとうございました!

渡 龍大

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茨城大学教育学部社会選修3年、東京都出身。現在茨城大学卓球部主将、茨城大学学友会代表を務めている。専門の教科は地理で、地誌学を専門に研究予定。好きな食べ物は...

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