対話の文化がまちと人を育てる

学生による記事

*茨城キリスト教大学の学生による記事です。ぜひご覧ください。

小美玉市には、「小川文化センターアピオス」「四季文化館みの~れ」「生涯学習センターコスモス」という3つの文化ホールがあります。文化ホールというと、「芸能人の公演を観に行くところ」や「学校の発表会で使用するところ」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、小美玉市の文化ホールは全く違う視点で運営されています。特にみの~れは、1960~70年代に隆盛を誇った青年団が育んだ「対話の文化」を継承し、「ホールを通じたまちづくりの新たな人材育成のあり方を示した」として、2009年に「地域創造大賞(総務大臣賞)」を受賞。文献にも多数取り上げられ、全国的に高い評価を得ています。

※「対話の文化」を継承したみの~れ会議風景

その手法はアピオスとコスモスにも広がり、「小美玉市まるごと文化ホール計画」に沿って住民主体・行政支援による文化のまちづくりを推進しています。そこで、小美玉市の文化活動が全国から注目されている要因を学びたく、活動の中心核である3名の方にインタビューしました。

※「team;これから」代表 前島京子さん

1人目は、「team;ここから」の代表を務める、前島京子さんです。「team;ここから」は、小川文化センター活性化委員会の経験者で構成する住民プロデューサー集団で、コンサートなどのオリジナル企画を創造しています。小川文化センター活性化委員会は、アピオス自主企画を選定するほか、自ら企画を創造する役割もあり、委員任期中は企画、広報、舞台製作などあらゆる経験を積みます。前島さんたちは「委員の任期を終えてからも、経験したことを活かしてアピオスのために自分たちが何かできることがあるのではないか」と考え、「team;ここから」を結成しました。「まちが活性化していくためには、住民と行政が力を合わせて取り組むことが大事で、職員の熱意を感じて私たちも頑張ろうというエネルギーが湧いてくる」と前島さん。「自分たちが考えた企画を楽しんでくれるお客様の笑顔が見られることを喜びに感じています。これからもアピオスと共に成長していきたい」と抱負を語りました。

※「みの~れ20歳記念事業実行委員会」委員長 瀧澤比佐乃さん

2人目は、「みの~れ20歳記念事業実行委員会」の委員長を務める瀧澤比佐乃さんです。今年2022年11月3日に20歳を迎えるみの~れをお祝いすべく、リレートークなどの記念事業を行います。瀧澤さんは、みの~れ誕生時に茨城新聞社から出版された「文化がみの~れ物語」を改めて読み返し、「当時、20年後の未来に想いを馳せ、たくさんの人たちが力を合わせてみの~れを誕生させたことに胸が熱くなる」と語ります。「幅広い年代の人たちが集い、意見をまとめる大変さは相当だったと思います。今でも対話の文化は継承されており、住民が日常的に集い、アイディアを出し合い、企画を研ぎ澄ましていくのがみの~れの凄いところ」と瀧澤さん。みの~れは「つどう・つなぐ・つくる」3つの「つ」をミッションに掲げ、対話の文化による人づくり・まちづくりを進めています。「対話の文化を若い世代や子どもたちに受け継いでいくことが自分のミッション」と力強く語りました。

※「四季文化館企画実行委員会」委員長 小池伸二さん

3人目は、「四季文化館企画実行委員会」の委員長を務める小池伸二さんです。四季文化館企画実行委員会は、住民主体で企画される多数のみの~れ自主事業を住民目線でチェックし、地域の未来に貢献する事業かを評価。次年度実施する事業の優先順位を決定する役割があります。2022年度から委員主体による事業評価をスタートしたことにより、「地方創生の視点や新たな人材獲得の戦略性など、人とまちを育むみの~れとして、活動の成果を見直す良い機会になった」と小池さん。住民参加から住民参画、そして住民主体へと進化させていくみの~れの取り組みをさらに進化させようとしています。「若い世代からサードプレイスとして支持され、これまで縁がなかった新しい人たちが関わりやすくなるかを常に考え、実践し続けることが大事。みの~れで活動する人たちの輪をさらに広げていくため、私たち住民がさらに主体的に、自発的に創造活動に取り組み、今後もみの~れを活力あふれる場として育てていきたい」と熱く語ってくれました。

3人の方の取材を通して、①活動する住民の方一人ひとりが常にアンテナを張り、学びの姿勢を取り続けている②新たな人材獲得のため、特に次世代の獲得に戦略的に取り組んでいる③住民と職員の熱意の掛け算が文化ホールの元気につながっている、と感じました。

小美玉市での4日間のインターンシップを通して、小美玉市の文化ホールは「一人ひとりの持つ可能性を見つけ、磨き、光をあてる場」であり、「対話の文化」を広めながら次世代の地域の担い手を育む、大変珍しい存在であることを学びました。

小川文化センター アピオス

https://apios.city.omitama.lg.jp/

四季文化館 みの~れ

https://minole.city.omitama.lg.jp/

生涯学習センター コスモス

https://cosmos.city.omitama.lg.jp/

  • コメント ( 4 )

  1. overs24

    3人の方の話から、自分の手でホールやまちを育てている実感があることが伝わってきます。

    • 岩田麗加

      overs24 様

      コメントありがとうございます。

      お三方ともイキイキとした笑顔でお話を聞かせてくださいました。お三方のような住民の方々の活動と行政によって、より良く小美玉市が発展してきたことを実感しました。

      岩田麗加

  2. サイトウトモユキ

    小美玉市でのインターンシップ研修 お疲れさまでした。
    対話の文化の大切さを目にされての取材、有難うございます。
    ①「team;ここから」の代表 前島京子さんのお話、小川文化センター活性化委員会の経験者の方々のteam、まさに対話の文化が無かったら 成り立たない世界ですね。私は、茨城空港&百里基地の東側に住んでますので、アピオスは近いのでもっと交流したいと思っています。
    ②「みの~れ20歳記念事業実行委員会」の委員長を務める瀧澤比佐乃さんは、私が小美玉市シティプロモーション活動に参加した2018年ころからお世話になっています。
    ③「四季文化館企画実行委員会」の委員長を務める小池伸二さんは、市民劇団Myu(ミュー)で 私が広報班でカメラマンで参加していて、お世話になっています。文化的知見とIT関係・映像関係にも優れていて素晴らしい方です。
    三人の取材、これから実社会に出る方からの取材は大切です。社会に出られても対話の文化を継承されて頑張ってくださいね。応援しています‼

    • 岩田麗加

      サイトウトモユキ 様

      暖かいコメントありがとうございます。

      お三方と繋がっていらっしゃるのですね。
      「アピオスともっと交流したい」と仰ってくださって嬉しいです。ぜひ、アピオスにお立ち寄りください。
      対話の文化を継承して頑張りたいと思います!
      応援ありがとうございます‼︎

      岩田麗加

岩田 麗加

716 views

小美玉市出身・在住です。茨城キリスト教大学で主に文化について学んでいます。大切に育まれてきた、小美玉市の魅力について発信していきたいです。

プロフィール

ピックアップ記事

関連記事一覧

ABOUT

TOWN JOURNAL OMITAMAとは
私たち小美玉市民による、小美玉市民のための市民メディアです。

有志の住民グループにより結成された「タウンレポーター」が茨城新聞社の取材や編集の指導や協力を受けて、小美玉市の情報を小美玉市民のために発信していきます。
ABOUT