「あのころの記憶」移りゆく想いをつなぐ若者たち

イベント

Summer short film project『あのころの記憶』上映公演が、8月13日に小美玉市四季文化館みの〜れ森のホールで開催されました。Summer short film projectは2022年の7月に代表と監督を務める桑﨑真里亜さんを中心に茨城県は地元の二十代のメンバーと一緒に立ち上げたプロジェクトです。今回、上映公演を開催した『あのころの記憶』は昨年に制作した短編映画「あのころ」の続編として制作されました。

※今年の1月に行われたSummer short film project「あのころ」上映会

短編映画「あのころ」は夢への葛藤を抱く若者が現在の自分達と学生時代の自分達を重ね、それぞれの人生を生きる姿を心理描写豊かに描いた作品です。今回の「あのころの記憶」は前作から8年後を舞台に、自分の母親達の過去に迫る物語を描き、母親達の時代の表現に趣向を凝らしながら、時代の変化を表現しています。

※母が若い頃に親友と交わした文通に思いを馳せる秋(門倉栞さん)

上映公演をするホールの外では「時代を超えたあのころの記憶」と銘打ち、当時の時代を彩ったレコードやブラウン管テレビ、ショルダーフォンなどの展示が行われていました。ホールの入場口まで並ぶ展示品を見ることで、来場者は時代の変化を体感しながらホールへと足を踏み入れていました。

※当日展示された時代を感じるレコード

上映公演では映画の上映だけでなく役者による芝居を舞台上で行う演出もあり、映画の中にいるような感覚に客席からは思い思いの“あのころ”を想起する表情を窺うことができました。

※舞台上での役者による芝居
※上映終了後も会場に残りアンケートに想いを記す観客達

上映公演の最後には、桑﨑さんが初めて制作した楽曲の「お似合いのふたり」を披露しました。80年代のアイドルを思わせる衣装に身を包んだ主演の二人がステージ中央に登場すると会場からは手拍子が湧き、会場の盛り上がりは最高潮に達しました。ステージが終わると手拍子は拍手に変わり大盛況のうちに上映公演の幕を閉じました。

※「お似合いのふたり」を披露する恵里(左:門倉栞さん)と亜子(右:古矢みなみさん)

桑﨑さんは上演前に「大切な誰かと簡単に連絡の取れる様になった現代とは異なる時代を体感し、自分が置かれている現状がいかに尊いものなのか再確認できる機会にしてほしい」と語っていました。終演後に、地元茨城の友人たちと久々に再会し、一言一言を大切にしながら言葉を交わす桑﨑さんの姿が印象的で、友人たちと記念写真を撮る様子は写真という媒体にそれぞれの“あのころ”を刻み込んでいるようでした。そして、今回の上映公演を通して、「心に抱いた想いを発信できる場所」として「みの〜れ」が存在しているように感じました。

※地元の友人たちと言葉を交わす一同
※海で撮影した際のオフショット

最後に、私も今回のSummer short film projectに参加させてもらった一人です。昨年の夏に高校時代に知り合った旧友から「映像作品を作るんだけど参加しない?」と連絡が届きました。私は何の迷いもなく承諾し、まだ名前も決まっていない団体の一員になりました。何を撮るのか、誰がキャスティングされるのか、決定事項は皆無だったがメンバーらの情熱だけが私の心を熱くさせ、目標に真っ直ぐに向かう彼らと共に過ごした時間は紛れもなく、かけがえのない“あのころ”になりました。貴重な経験をさせてくれた仲間に、この場を借りて感謝を伝えたいです。最大限の感謝を込めて、「ありがとう」。

短編映画「あのころ」:https://summer-shortfilm-project.studio.site/

SNSアカウント:https://instagram.com/summer___short?igshid=NTc4MTIwNjQ2YQ==

  • コメント ( 2 )

  1. かがた

    なんかいろいろなものが紡がれてめっちゃすてきな一連の出来事ですね!

  2. Louis

    地元で活躍する若者がどんどん増えて行くと嬉しいですね☺️

岩淵大将

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茨城県・小美玉市出身。趣味は音楽、映画鑑賞、読書(漫画・小説)などなど、楽しいことが大好きです。

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