防犯活動から生まれた地域の絆 ~「十二所防犯パトロール隊」

ひと

※朝のラッシュ時の様子。車と子どもたちが大渋滞する地点で安全確保をしてくれます。

2005年、小美玉市十二所(じゅうにしょ)区に、安心して暮らせるまちにしようと集まった地域住民により「十二所防犯パトロール隊」が結成されました。メンバーは約20人で平均年齢は75歳。特にルールは定めず、お互いが助け合って活動。小美玉市防犯連絡協議会の構成団体として、毎日の登下校見守り、月に一度の地域内巡回とごみ拾いをしています。また週に1度、青色灯のパトロール車による巡回を行い、防犯に貢献しています。

市内西部に位置するこの区は昔からある住宅地で、最近はUターン・Iターンしてきた若い住民が増えています。JR常磐線羽鳥駅にほど近いこの周辺全体をみても、ますます宅地開発が進みました。また国道355号線が通り、市内にある茨城空港につながる道路も整備が進んだことから交通量も増加している地域です。

朝の通勤ラッシュに約400人の子どもたちの登校時刻が重なるため、2015年からエリアを広げて登下校時に交通安全活動を行うことになりました。保護者の皆さんからのお願いがあったそうです。常時5~6人が参加し、中には小学校の時間割や行事予定を基に自分のスケジュールを組み、1日に何度も学校を往復するメンバーもいます。

※毎日見守り活動をしている皆さん。左から、岩崎さん、小村さん、藤岡さん、村田さん、桑原さん (撮影時のみマスクを外しています)

代表の藤岡孝一さんは、「特に注意が必要なのは雨や風の日。視界を妨げないようにカッパや傘の使い方を工夫しないといけない。大変なこともあるけれど、やっぱり子どもたちの成長は楽しみ。入学から卒業まで、大きくなっていく様子を毎日見ているからね」と話してくれました。メンバーの皆さんも「感謝の言葉をもらうと、とても嬉しいよ。それが元気の源だね」「子どもたちに、歩いて学校に行くことの楽しさや素晴らしさを感じてほしい」「挨拶の大切さを知って、習慣にしてほしいね」「闘病中、元気になったらみんなの役に立つことをしたいと思ってこの活動を始めたんだよ」と思い思いの話をしてくれました。

いつもお世話になっている羽鳥小学校の子どもたちは、手作りの「感謝のメダル」をプレゼントして、ありがとうの気持ちを伝えています。しかし今回、この思いを改めて聞いた女の子(小4)は、嬉しい気持ちで胸がいっぱいになり、「おじちゃんたちと、もっとお話したい!」と翌朝の登校を楽しみにしていました。

※交差点に隣接するコンビニの出入り口付近を見守る丹治さん。誰もが急ぐ朝、子どもたちだけでなくドライバーへの配慮も必要だそうです。 (撮影時のみマスクを外しています)

15年間続けてきたパトロールの活動は、周囲の希望により少しずつ変化したようですが、こうして子どもたちや保護者との交流が生まれ、学校との連携も深まってきました。毎朝この付近を通るドライバーの皆さんも、子どもたちの安全確保に大きな理解を示してくれるようになりました。この絆を大切にし、さらに安全で安心して暮らせるまちになるよう、お手伝いしたいと思いました。パトロール隊の皆さんに感謝と尊敬の気持ちを込めてエールを送ります。

  • コメント ( 12 )

  1. ブルたん

    児童の安全・安心を見守ってもらえること、保護者の方たちにとってはありがたいことですね。
    シルバー世代の方の地域への貢献、ご本人たちにとってもやりがい・生きがいにつながります。まさに、ささえあいの地域づくりですね!

    • 瀧澤比佐乃

      ブルたん様

      コメントありがとうございます。
      「ささえあい」「お互いさま」の気持ちを大事に、取材をした私も住民のひとりとして、できることを探してみようと思います。

  2. 羽鳥東民

    毎日欠かさず子供達の登下校を見守っていただいて、十二所防犯パトロール隊の皆様には感謝しております。おかげで毎朝安心して子供たちを送り出せています。ありがとうございます!!!
    お礼を伝える場がなかなか無いので、こちらにコメントさせていただきました。

    • 瀧澤比佐乃

      羽鳥東民様

      コメントありがとうございます。
      メンバーの皆さんへお礼の言葉を伝える機会になったこと、取材した者としても大変嬉しく思っております。

  3. みんみん

    羽鳥小に我が子が通っています。
    いつもありがたいと感じていましたが、恥ずかしながら 皆さんのことをよく知りませんでした。
    保護者からの要望で範囲を広げて下さった事や、子供達の下校時間などまで考慮して下さっている状況ですら知りませんでした。
    記事を読み、皆さんの活動の広さ、想いの深さを知れてよかったです。
    子供たちにも記事を見てもらいました。
    いつも地域のため、子供たちのために どうもありがとうございます。

    他の記事も興味深く拝見しました。
    知らなかった小美玉のことが知れてよかったです。

  4. 瀧澤比佐乃

    みんみん様

    コメントありがとうございます。
    お子さんにも記事の内容をお伝え頂きありがとうございます。きっとメンバーの皆さんも喜んで下さると思います。

    これからも小美玉の魅力をいろいろご紹介したいと思います。どうぞ宜しくお願い致します。

  5. わんわん

    一年を通して、見守ってくれる人たちがいる事、とても素晴らしい地区ですね。安心して登下校できることに、家族の皆さんも感謝の気持ちで一杯だと思います。
    きっと、こうして優しい大人の人達に囲まれて育った子ども達が、パトロール隊の皆さんの年齢になった時に、パトロール隊の一員になっているかも知れませんね。とても羨ましい地域ですね。

    • 瀧澤比佐乃

      わんわん様
      コメントありがとうございます。子どもたちの育つ環境の大切さ、パトロール隊の皆さんにも教えて頂きました。子どもの頃の思い出が今の活動に繋がっているとのことなので、、わんわんさんの仰る通り、必ず子どもたちにも受け継がれていくと思います。あたたかいお言葉、ありがとうございます。

  6. もち

    脇山に住んでいた頃、娘の羽鳥小学校への通学で、こういった地域の見守り隊のみなさんに大変お世話になりました。
    素晴らしい記事をありがとうございます。

  7. 瀧澤比佐乃

    もち様
    コメントありがとうございます。私も子育て世代にあり、地域の皆さまに助けて頂くことがたくさんあります。こうしたボランティアの皆さんの活躍も、小美玉の魅力のひとつであると思いますので、これから少しずつ紹介していきたいです。

  8. 藤井孝一

    素晴らしい活動ですね。
    なかなか出来ることではないと思います。
    長年続けられているこうした活動は、時にそれがさも当たり前のように思われることがあります。しかしそれは当たり前ではなく、とてもとても尊いことだと思います。
    こうした活動を取材して記事として紹介できるタウンジャーナル小美玉は意義深いものだと思います。

    • 瀧澤比佐乃

      藤井孝一様
      コメントありがとうございます。いつも変わらぬ笑顔が毎朝迎えてくれることは本当にありがたいことと、取材した私も思いました。悪天候の日は、いつもパトロールの皆さんを思い、感謝の気持ちが深まります。
      こうして多くの方々にご紹介でき、私もとても嬉しいです!

瀧澤比佐乃

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★編集部★ レポーターとして奮闘中の主婦です。

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