笑顔もお届け、にこにこ食堂みのり
「にこにこ食堂みのり」は2018年8月、地域の子どもたちに温かい食事や居場所を提供する「子ども食堂」として始まりました。毎月1回第4日曜日に、小美玉市農村女性の家(同市納場)で開いています。茨城保健生協小美玉支部が運営し、同職員や地域の皆さんがボランティアで参加、食品スーパーのタイヨーやJA新ひたち野が食材提供で協力しています。コロナ禍の今は持ち帰り弁当のみの対応で中学生までは無料、大人200円。毎回約70人~80人が訪れます。
運営委員長の山口了さんは「月1回だけ開催して、どれだけ役にたつのかという不安もありましたが、地域で子どもと大人が集える場所があったらいいなという思いも強くありました。食材の件でスーパータイヨーと、JA新ひたち野に相談に伺ったところ、『無償で提供します』と快く引き受けてもらい、たくさんの人や企業に支えられて立ち上げることができました。美野里地区の小中学校にチラシの配布をお願いするために校長会や教育委員会にも挨拶に伺いました」と振り返ります。活動は食事提供と、学習支援、子どもたちの健康づくりが三本柱です。今はコロナ禍で休止していますが、食堂は子どもたちに勉強を教え、生活習慣を整えるという役割もあり「居場所」にもなっています。
毎回の献立は、学校給食の仕事の経験もある管理栄養士の山田とし子さんが作成しています。調理の主力は、食生活改善推進員としても活動するボランティアの皆さんです。山田さんは「調理道具の大きさによって材料の配分を考えたり、子どもたちが食べやすい味付けにしたりと工夫しています。また、食改さん(食生活改善推進員)と関わるようになって、学ぶことが多く刺激を受けましたね。例えば、春雨は料理や調理時間によって種類を変えるというのも教えてもらいました」と話します。
取材した日のメニューは、カレーライス、ホウレンソウのゴマ酢和え、キュウリの昆布漬けです。6人の調理スタッフが手際よく作業しながら「新鮮な食材で手作りしているでしょう。メニューも豊富なので楽しみに来てくれる方も多く、お弁当が足りなくなってしまったこともあるんですよ。子どもたちの喜ぶ顔が見たくて私たちも楽しく調理しています」と話してくれました。
コロナ禍になる前は、お年寄りもよく訪れていました。子どもたちの勉強を見てくれる人、一緒に遊んでくれる人、逆に子どもたちからお年寄りに話しかけたり、一緒に遊んだり…。お互いに癒やされる関係性ができていました。楽しく遊んだあとに、子どもたちや保護者とテーブルを囲んでにぎやかに食事をしていたので、お年寄りにとっても楽しいひとときだったと思います。
山口さんは「子どもたちや1人暮らしのお年寄りが気楽に立ち寄れる場所にして楽しく参加できる企画を考えていきたい」と優しい笑顔で話してくれました。「にこにこ食堂みのり」は、その認知度が上がるとともに、地域の交流拠点として担う役割の幅を広げています。
▲新型コロナウイルス感染拡大のため、9月の「にこにこ食堂みのり」の開催は8月に続き中止となりました。10月以降の再開については現時点では未定です。
コメント ( 2 )
いろいろな配慮をしながらの事業だと思いますが、チームのみなさんのお元気な姿をとても頼もしく拝見しました。
「地域にために」という思いには頭が下がります。
これからもどうぞよろしくお願いします!
こむぎ様
コメントありがとうございます
地域のために活動している皆さんを何かの形で応援したいと思っていました。こむぎ様のコメントも一緒に印刷して次回、にこにこ食堂みのりが開かれる日にご挨拶に行ってきます。