小美玉ふるさと食品公社物語~創設編~

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小美玉ふるさと食品公社(小美玉市山野)が2021年6月に30周年を迎えます。
同公社は市町村合併前の美野里ふるさと食品公社(旧美野里町部室)時代から、酪農家と二人三脚で地域の酪農の発展に尽力しています。同公社の「おみたまヨーグルト」は100%小美玉産生乳仕立ての人気商品です。
美野里地区が酪農の里となった理由と、同公社の熱心な取り組みにより小美玉市がヨーグルトの町へとなっていった歴史を紹介します。

1960年ごろまで、旧美野里町の多くの家で飼われていた牛は、労働力と考えられていました。同町の酪農家であった外之内光男氏は「大地に深く根を張った産業こそ大事」という思いから、土づくり、牛づくり、人づくりの三位一体の酪農を推進し、1961年、美野里酪農業協同組合を設立し組合長に就任。その後、外之内組合長は海外研修で学んできた共同利用による自給飼料生産の安定と牧場の規模拡大を、同組合所属の酪農家にも取り入れられるように尽力し、日本でも有数の酪農密集地に育てました。

※外之内光男氏胸像(美野里酪農業協同組合)

多くの酪農家が育ち、同組合が生産する生乳の量も安定してきた1991年6月に、さらなる酪農の発展を目指し、旧美野里町と同組合とJA美野里の出資によって「美野里ふるさと食品公社」が設立されました。当時、同町の町長になった外之内氏は同組合の良質な生乳をいち早くヨーグルトやアイスクリームに加工することで鮮度と美味しさの付加価値を付けました。 
2018年の小美玉市の酪農家の戸数密度(戸数/㎢)は0.30、茨城県の戸数密度が0.06なので、同市に酪農家が密集しているのが分かります。この密度の高さが、低コストで速い集乳を可能にし、新鮮な生乳を毎朝、同公社でヨーグルトに加工することができる土台となっています。

2006年町村合併により小美玉市が誕生。2014年に「空のえき そ・ら・ら」(同市山野)がオープンしました。その際に、同施設内に工場が移転し、社名は「小美玉ふるさと食品公社」に、ヨーグルトも「みのりヨーグルト」から「おみたまヨーグルト」になりました。  

「酪農が盛んで、ヨーグルトがおいしい小美玉市。全国のヨーグルトの祭典を開催するのにふさわしい」との自負から、2018年10月には「第1回全国ヨーグルトサミットin小美玉」が開催され、2日間で約4万人の来場者を迎え大成功に終わりました。

 ※ヨーグルトサミット限定パッケージ

その後、ヨーグルトサミットは全国を巡ることとなり、2019年に岡山県真庭市で第2回が開催。
2021年9月には岩手県滝沢市で「第3回ヨーグルトサミット㏌いわて」が開催予定です。

同市の酪農家が搾った生乳がヨーグルトになり、市民の皆さんに愛され、全国に知られる存在になってきたことと、「第1回全国ヨーグルトサミットin小美玉」の一環で制作された動画「小美玉ヨーグルトストーリー」が、2019年全国広報コンクール(日本広報協会主催)映像部門で日本一に当たる特選(総務大臣賞)に輝いたこと、
これらは小美玉市の酪農家の誇りです。 

◆動画 小美玉ヨーグルトストーリー

小美玉ふるさと食品公社 (omitamayogurt.jp)
〒311-3413 茨城県小美玉市山野1628-42(空のえき そ・ら・ら内) 
TEL 0299-56-6991  FAX 0299-56-6992

【美野里売店】 
 〒319-0132 
  茨城県小美玉市部室1189-4 (トキワ園芸農業協同組合 花木センター内) 
 TEL 0299-48-3150  FAX0299-48-3151

  • コメント ( 6 )

  1. カガタタクヤ

    ものすごい骨太な歴史をはじめてきかせていただきました!外之内光男さんやその後をつくってきた酪農家のエピソードをもっともっと知りたくなりました。

    • タモツダチキ

      カガタさん。
      コメントありがとうございます!
      歴史的な背景を知ると、おみたまヨーグルトがさらに美味しくなります!
      今後もエピソード増やせているようにがんばります!

  2. 中本正樹

    小学生の頃、外之内光男町長が入学式や卒業式で必ず牛の話をしていましたね。あの頃は長い話が、、、と思ってましたが、まさかヨーグルトサミットで役に立つ日がこようとは!人生わからんもんです(笑)

    • タモツダ チキ

      高校生の頃、毎週土曜日に配られる「美野里ヨーグルト」を飲んでは、「必死だな。ダセェな。」「こんなの売れるわけない。」とバカにしていた私が、まさかこんな記事を書く日が来るとは!です!
      強い想い、受け継がれる意志、継続は力なりですね。
      これからも小美玉ふるさと食品公社に見捨てられないような、生乳を生産出来るよう「土づくり・牛づくり・人づくり」に励んでいこうと思います。

  3. 齋藤友幸

    県北の田舎で幼少期を過ごしましたが、近所に酪農家はありましたが、小規模で生乳出荷も大人の腰位の金属容器を3本くらい出していたようです。長いこと酪農にはご縁がありませんでしたが、当地に越して酪農の建物の大きいこと、数百頭は居そうな牛さんに驚きました。今では、近所(直線1Km車で6Km)に工場と直売所があって、毎週乳製品を購入してます。今では、何ら病気もしないでいるのはヨーグルトとおかめ納豆のおかげと思っています。酪農家も6次産業となり素晴らしいことと思っています。未来に向かってさらに発展されてください。

    • タモツダ チキ

      齋藤さん。
      コメントありがとうございます!
      県北は山が多くなかなか牛舎を大きく出来ないこともあるみたいです。
      美野里という地域は大きな山や川もなく土地が平なので牛舎を大きく建てやすかったのも、密集に繋がる要因かもしれないですね!
      納豆・ヨーグルト・新鮮な卵でいつまでもお元気にお過ごしください!

保田知紀

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美野里地区を中心に取材を担当しています!よろしくお願いいたします。

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