魅力ある小美玉市のお祭りと年中行事 後世に

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小美玉市のお祭りと年中行事を紹介する企画展が、市立玉里史料館で10月3日から11月29日まで行われ、市内外の来場者が小美玉市の伝統文化に触れた。企画した学芸員の和久法子さんは、「新型コロナウイルスの影響を受け、市内のお祭りや年中行事が中止になり、この企画に対する思いが強くなった」と語る。

企画展では、市内のお祭りや年中行事の中から5つに焦点をあて、実際に使う獅子頭や神具、お盆の行事で使用する「盆綱」などが展示された。

お盆の行事として行われる「盆綱」は、子どもたちが龍や蛇を模した形の綱を引いて、墓地と集落の家々を廻り、墓地から先祖の霊(ホトケ様)を迎え、家々に送り届ける行事。展示解説書によれば、県内では霞ケ浦周辺と涸沼周辺、千葉県では印旛沼周辺にそれぞれ分布しているが、小美玉市の盆綱は県内でも群を抜いて多い。2015年(平成27)には、小美玉市を含む「東関東の盆綱」が国選択無形民俗文化財(※1)に指定されている。

また、祭神画御朱印で有名な小美玉市小川古城の素鵞(そが)神社で毎年7月に行われる「祇園祭」も、古式ゆかしく行われる神事や、江戸時代の祭礼記録である「横町覚書(よこまちおぼえがき)」の存在は、神事として古態を伝えていること、祭事としての風流が詳細に記録されている史料であることから、研究者の注目を集めている。

和久さんは展示を終えて、「どの伝承者も、後継者不足が一番の課題であると言っていた。同時にそこに携わる人の熱意も強く感じた。お祭りや年中行事をたやさないという思いを強くした」という。

同館館長の本田信之さんは、「小美玉市内の祭りや年中行事には、要所要所に歴史的価値のあるものが残っている。時には研究者を驚かせるものもある」と話した。

今後同館では伝統文化をはじめ、市民の活動を動画にして配信し、多くの人にその魅力を知ってもらうと同時に、伝統文化の伝承にも活用してもらえる取り組みをしたいという。

是非多くの方に小美玉の伝統文化に触れてもらいたい。

※1 国選択無形民俗文化財
正式には、国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」。伝承の状態などが把握できていない無形民俗文化財の中で、貴重であり、伝承の危機などが考えられるものを選択し、その記録作成を行うことによって、保護を図ることを目的としたもの。

  • コメント ( 12 )

  1. 遠藤康子

    盆綱のことは話には聞いていましたが、この記事を読んで意味がよくわかりました。ありがとうございました。
    チャンスがあれば実際に見てみたいです。

    • 藤井孝一

      遠藤様、コメントありがとうございます。
      私もなかなか見る機会はないです。一度は行事を最初から最後まで見学したいと思っています。

  2. よよ

    子どもの頃に盆綱をしましたが、珍しい行事だと知ったのは大人になってからでした。
    こういう地域の伝統文化を広く知れる展示は貴重ですね。

    • 藤井孝一

      よよ様、コメントありがとうございます。
      普段何気なくやったり見たりしている事が、実は貴重なことだったりしますよね。
      郷土史の研究をしていると貴重な発見が多いので、今後ともこちらで紹介できればと思います。

  3. けいのえりな@コミュニティマネージャー

    お祭りの歴史や背景って、言語化されていないことも多いのでとても貴重な記事だと思いました。丁寧に取材されたのが伝わります。このような記事を通じて、お祭りの背景にある地域の歴史や文化が多くの方に伝わるのはすてきなことですね!

    • 藤井孝一

      けいの様、コメントありがとうございます。
      私は地元の祭礼について研究しております。祭礼の歴史を調べていると、それはまさに地域の歴史であることに気付かされます。
      歴史の中には地域の人が忘れてはならないであろうものも多く、そういったことも今後発信できればと思います。

  4. tomoji

    お祭りが好きで数年前から、お邪魔していましたが、小川の素鵞神社の祭りの歴史までは知りませんでした。このような記事があると知らない方々にも助かると思います。

    • 藤井孝一

      tomoji様、コメントありがとうございます
      機会がありましたらまた祇園祭の歴史を紹介させて頂きます。
      今後とも宜しくお願い致します。

  5. もち

    つくば市上郷にも獅子頭見つけました。
    どのあたりまで広がっているんでしょうかねぇ。
    情報まで。

    • 藤井孝一

      もち様、コメントありがとうございます。
      貴重な情報ありがとうございます。
      獅子舞は全国的にありますが、石岡地方の「幌獅子」はこの地方独特のもので、小川の祇園祭においてもこの幌獅子が練り歩きます。
      ちなみにもち様が教えてくださったのは田倉の三匹獅子のことでしょうか。幌獅子とは別系統の獅子になりますね。コメントを頂いて私も調べ、大変勉強になりました。
      つくばには「小田の獅子舞」もあり、これは幌獅子文化にも何か影響があるのではないかと思います。

  6. こむぎ

    盆綱のこと、以前から写真で見て不思議に思っていました。伝わっている地域が水辺だということ、水の神「龍神」に繋がるものかと、興味を持ちました。子どもの数が減り、存続の危機にもあるようですが、ぜひ研究者の解説も加えて頂き、地域の皆さんの宝にしてほしいです。

    • 藤井孝一

      こむぎ様、コメントありがとうございます。
      最近、年中行事を大切にしたいなと思うようになりました。
      節目節目の行事のなかに、一年無事に過ごせたという感謝の気持ちを抱きます。

藤井孝一

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