市民に寄り添う~小美玉市消防団女性部~

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小美玉市には消防団が十九分団と女性部があります。3月25日公開「地域の暮らしを守り続けて58年~小美玉市消防団第三分団~」において紹介した小美玉市消防団第三分団に続き、今回は小美玉市消防団女性部を紹介します。
(*取材は合同で行いました)

女性消防団員は市内在住、または在勤の20才以上55才未満の健康明朗で消防防災活動やボランティア活動に興味のある女性が対象です。現在5名(小川地区0名・美野里地区4名・玉里地区1名)の団員が建物火災現場できめ細やかな対応をしています。女性部部長を務める村田明美さん(同市羽鳥)から話を伺いました。

ー女性部の活動を教えてください

建物火災のときは市内全域に出動します。私たちは後方支援という形で関わります。応急手当指導員の資格を持っているので火災現場でけが人の有無を確認、救急隊員とともにやけどやけがの応急処置を行います。また、消火活動をしている人たちの妨げにならないように、動揺している家の人に「大丈夫ですからね」などと声かけをして寄り添い、消火活動をサポートします。もう一つ大切な役目として、被災者の心のケアがあります。他にも広報支援として、子どもたちを通して火災防止のパンフレットの配布の活動もしています。市のイベントには必ず呼ばれますね。

※子どもたちを通して配布したパンフレット(写真提供:村田明美さん)

―小美玉市消防団女性部に入団したきっかけと、入団して何年になるか教えてください

2016年に入団して今年で6年目です。夫が第三分団に入団していたので(第三分団長の村田兼一さん)消防団に魅力を感じていました。私にも地域の安心安全を守ることができたらと考えていたところ、女性消防団を新しく作る!という話があり、家族と相談して入団することにしました。

 ―コロナ禍になり変化したことはありますか

イベントもないので、女性団員の仲間とは災害時にしか会えない状況になってしまいました。そのような中で私たちにできることを考え、2020年5月、マスク不足の時に女性消防団員でマスクを200枚手作りして、小美玉市に寄贈しました。

※小美玉市役所にマスクを寄贈(写真提供:村田明美さん)

※たくさんの手作りマスク(写真提供:村田明美さん)

 ―建物火災のときはご夫婦で出動することもありますね

子どもが大きいからできるんだと思います。下の子どもは中学1年なのですが、上の子どもたちが協力してくれるので助かっています。長男も消防団に入っています。

 ―火災現場で心に残っていることはありますか

消防団に入って初めて火災現場に行ったとき、雨どいが熱で溶けてしまい、ポタポタと雨だれのように落ちていました。それでもおばあちゃんは家の中に入ろうとしていました。止めても止めても大切な物を取りに入ろうとして・・おばあちゃんを説得して引きずり出しました。家が燃えるってそれほど大変な事なんだなと実感しました。もう火災を起こさないようにしよう、こういう思いを地域の方にさせてはいけないと思って団員全員で啓発活動をしています。それが今の自分たちにできることだと思っています。

※村田明美さん(左)・永井利幸さん(中央)・村田兼一さん(右)

 ―羽鳥小学区を担当している第三分団の永井さん、村田さん、消防団女性部の村田明美さんから皆さんに伝えたいこと、お願いしたいことを教えてください(敬称略)

永井:消防団活動へのご理解とご協力のうえで入団してもらいたいと思います。
入団してからはより一層、自分の家で火を出すわけにはいかないと思い、タコ足配線、漏電などにも気をつけています。入団すると自然に安心・安全を強く意識するようになります。もちろん家族もです。

村田:入団希望者がどんどん減ってしまい消防団がなくなってしまうのが一番怖いです。今より1人でも団員が増えることで、より早く火を消すことができるんですよね。

明美:2人が言ったとおりですね。私たちが出動しない世の中になってほしいです。火災で悲しい思いをしないように、日頃から自宅の周りの点検などをしてもらいたいと思います。

永井さん、村田さんご夫妻から話を伺った後にも、何度か火災があり消防団が出動しました。団員が一致団結し、素早い対応と細やかな心配りで被害を最小限に留める活動が続いています。

今回の取材を通して、消防団員は地域の人が安心して暮らせるように日頃から消火栓の確認をしたり、すぐ出動できるように心がけていること、誇りをもって活動していることを知りました。
また、建物火災のときに出動して応急処置や被災者の心のケアをする消防団女性部の活動を取材を通して知ることができました。
皆さんの活動に心から感謝します。

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藤田佐知子

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★編集部★ 美野里地区を中心に取材を担当しています!よろしくお願いいたします。

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