感謝と祈りの心で神様をおもてなし「小川のぎおん」

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近年、御朱印 で有名な小美玉市小川の素鵞(そが)神社。その人気ぶりは、今や県外からも参拝者が訪れるほど。神職によって描かれた「祭神画御朱印」は、素鵞神社の大きな魅力です。しかし素鵞神社の魅力は御朱印だけではありません。毎年7月中旬に行われる神社最大の祭礼、祇園祭も大きな魅力の一つです。一般に「小川のぎおん」として多くの人に親しまれ、一年で最も小川のまちが活気に溢れる夏の風物詩となっています。

祇園祭は神事と祭事に分かれます。
神事は神輿(みこし)を中心に行われる行事で古式ゆかしく執り行われ、小美玉市無形民俗文化財の指定を受けています。
祭事は、普段素鵞神社の神様が守ってくださっている九つの町内が出す踊屋台や幌獅子を指し、祇園祭を華やかに演出します。
みなさんが想像する祭りとはどんなものでしょうか。おそらくは出店での買い物や、山車(だし)が練り歩く様子を思い浮かべることでしょう。しかし本来の祭りは神様への感謝と祈りの心が込められているもの。祇園祭では、そんな思いが込められた神事が、見物客の目にすることのない場所で数多く行われます。この記事ではそんな祇園祭の神事を「神輿で行く神様の2泊3日の旅」としてわかりやすく紹介します。

①事前準備
祇園祭では、神様が神輿にお乗りになり、年に1度神社から外出されて小川のまちを旅されます。神様は、まちなかに建てた御仮殿(おかりや)と呼ばれる宿にお泊りになり、人々からのおもてなしを受けます。まずはその準備として、神様が旅をする小川のまちや、神様のおもてなしを担当する人々の家などに注連縄(しめなわ)を張り、旅の無事を祈願します。

②旅1日目
神様は神輿にお乗りになり、素鵞神社を出発。約500年前に神様が流れ着いたとされる思い出の地、園部川に向います。神様は人々に活力を与え続けるために、河畔で禊(みそぎ)をし、ご自身のパワー(御神威)を回復させます。その後人々が用意した御仮殿に向かい、ここで2泊します。

③旅2日目 
御仮殿でくつろいでいる神様の前で巫女舞(みこまい)が行われます。神様に楽しんでもらうためのイベントです。またこの日は1年ぶりにまちにお出ましになられた神様に、各町の踊屋台や幌獅子、大勢の参拝客があいさつに訪れます。

 ④旅3日目
祇園祭は素鵞神社の神様、素戔嗚尊(すさのをのみこと)に対する祭りであると同時に、境内に祀られている櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)に対する祭りでもあります。この二柱の神様は夫婦であり、この日は夫婦が年に1度だけ会う日でもあります。櫛稲田姫命との再会を果たした素戔嗚尊(すさのをのみこと)のパワーは最大に回復。その後そのパワーで小川のまちの悪霊を追い払い、3日間の旅を終えられます。

宮司の木名瀬尚孝さん(62)は、祇園祭の魅力について「1年ぶりに神様を神輿にお移しし神社から園部川に向う瞬間が何とも神々しい。まちから聞こえてくる祭りの音に、今年も無事に神様を送り出せたという安堵感を感じる。全てが終ったあと、すぐに来年への使命感が湧く。これが祇園祭の魅力ですね」と話してくれました。

本来祇園祭は悪疫退散を願って行われるもの。新型コロナウイルスが蔓延する今、神様はすぐにでも小川のまちにお出ましになりたいはずですが、昨年に続き今年も足止めとなりました。それでも小川の人々は、神様への感謝と祈りを伝えるため、神社で例大祭を行います。例大祭は神社の創建日であり、最も格式高い重要な神事です。長い歴史の中で築き上げられた祇園祭の伝統は、少子高齢化や感染症の蔓延によって本来の姿を継承していけるかどうかが課題となっています。しかし小川の人々は、どんな困難があろうとも祭りをやるという意地、そして他に負けない祭りをやろうという見栄の精神を抱きながら祇園祭を守ってきました。先人が築き上げた小川の誇りに、ぜひ多くの方に触れていただきたいと思います。

※素鵞神社祇園祭(例大祭) 日時:令和3年7月23日(金)午前10時~

素鵞神社HP https://www.sogajinja.com/

  • コメント ( 3 )

  1. さいとう ともゆき

    コロナ渦で2年連続で町内巡行ができないのが残念です。今年も御仮屋に提灯が付いて祭りの雰囲気をちょっとだけ見せてくれてます。
    私が、はじめて小川の素鵞神社祇園祭お邪魔したのは、石岡市民だった頃で、鹿島鉄道なる気動車できました。以後、小川庁舎や文化センターへ駐車して遊びに来てました。2012年に転居してからもアピオス駐車場から熱中症ギリギリでお邪魔してます。2018年は、倒れそうになり怪しげな喫茶店に避難した覚えがあります。祭りはその土地土地での歴史そのもので貴重な文化資源です。幸いにも、歴史文化研究会にも若い年代が参加、これから如何に人口増大を図るかが課題ですが、長い歴史のある素鵞神社祇園祭を楽しんで行きたいと思います。投稿有難うございました。

    • 藤井孝一

      郷土文化研究会、今後も頑張っていきたいと思います
      祇園祭の撮影、是非お願い致します!

    • 島田美幸

      祇園祭の賑わいが無いのはとても残念です。
      しかし、今年は提灯に灯りが燈りました。
      それだけで、小川の住人はワクワクしてます。
      さいとうさん、例大祭シャッターチャンス有りますよ。
      ぜひ、素鵞神社お出かけください。

島田美幸

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小川地区を担当させていただきます。 私は北海道札幌市で生まれ育ち、学生時代は、横須賀、東京、社会人となってからは東京と色々な場所で生活してきました。 結婚子...

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