おみたまアルバム 2021年11月~やすらぎの里小川 茶室「仙楽亭」~

暮らし

 『おみたまアルバム』は小美玉市内の美しい風景や何気ない日常を切り取り、写真や動画でお届けする企画です。

今回は小美玉市中延にある生涯学習施設「やすらぎの里小川」の茶室「仙楽亭(せんがくてい)」を紹介します。

茶室は施設内にある5棟の建物のうち、最も奥に位置する茶道棟にあります。同棟には「仙楽亭」と「明月軒(めいげつけん)」の二つの茶室があります。「仙楽亭」は詫びた風情の草庵茶室、「明月軒」は床の間脇に付書院(つけしょいん)といわれる飾り棚を設えた書院風茶室(広さ約23㎡、床の間と畳14畳で構成)です。豊かな自然に囲まれた二つの茶室で、四季の移り変わりを感じながら茶道の稽古や茶会を楽しめます。

※やすらぎの里小川  茶道棟
※茶道棟から見える風景

茶室 仙楽亭は、広さは約10㎡(3坪)、天井までの高さ約1.8~2.2m。床の間と客が座る畳が4畳、台目畳(だいめだたみ、縦の長さが通常の畳の4分の3と短く、主人がお茶を点てる畳)が1畳で構成され、台目畳の一角には茶釜を掛けるための炉が切られています。

※茶室  仙楽亭室内

天井高は一般家庭より約40~60㎝低く、部分ごとに高低差をつけています。高さや素材・技法を変えて格差を作り、主人が座る位置の格を下げて謙虚さを表現しています。竹や杉皮・蒲(がま)など素朴な素材が張られて、野趣に富んでいます。

窓も趣向を凝らしています。土壁の一部を塗り残し、下地に組んだ竹や葭(よし)を見せた下地窓(したじまど)や、外壁部に竹を縦に連ねてはめ込んだ連子窓(れんじまど)が目を引きます。外部との小さな出入口、躙り口(にじりぐち、高さ約66cm 幅約70cm)もあり、風情のある茶会を催すことができます。

茶室内の様子をスライドショーでご覧ください。

 茶室の外、躙り口(にじりぐち)近くの庭には、飛び石のアプローチ、蹲踞(つくばい、茶室に入る前に心身を清めるための手水鉢)、塵穴(ちりあな、客を迎える前の最終確認で拾った塵を入れるための穴)もあり、茶道の露地(ろじ、茶室に付随する庭園)として必要な設えがそろっています。茶室隣には水屋(みずや、水使い場)が配置され、使い勝手もよく考えられています。

※飛び石のアプローチ
※蹲踞(つくばい)
※塵穴(ちりあな)
※水屋(みずや)

日ごと秋が深まる11月、茶会の様子を再現しました。小美玉の里山にある茶室 仙楽亭で、やすらぎの時間をお過ごしください。

やすらぎの里小川
住所:小美玉市中延1508-1
電話番号:0299-58-4580
開館時間:9:00~17:00(申請すれば夜間利用も可、21:30まで)

入場は無料。施設の各室を利用するときは事前予約が必要で、料金がかかります。茶道棟には一通りの茶道具が備えられていて、事務所に声を掛ければ誰でも無料で借りられます。

事務棟以外の建物は利用時以外は施錠されています。使用中でなければ室内を見ることができますので、お問い合わせください。

http://www.city.omitama.lg.jp/0067/info-0000000062-0.html

  • コメント ( 4 )

  1. わんわん

    うっとりするほど素晴らしい風景
    静けさの中でお茶をたてる姿が目に浮かびました。やすらぎの里をのんびりと散策してみたいです。

    • 瀧澤比佐乃

      わんわん様
      コメントありがとうございます。
      やすらぎの里小川は、市の広報誌「おみたま」(2021年10月号)でも特集され、市内では最近注目のスポットです。
      敷地内を散策する方が随分増え、みなさんリピーターになっているようです。
      ぜひ、一度いらしてみてください。

  2. ラブ

    心地よい静寂の空間に時間のたつのも忘れてしまいそうになります。和の素晴らしさ、あらためて感じさせられます。

    • 瀧澤比佐乃

      ラブ様
      コメントありがとうございます。
      茶室「仙楽亭」は市内でも隠れ家的な存在です。
      もっと多くの方に茶室の存在と魅力を知ってほしくて記事にしました。
      「心地よい静寂の空間」と感じて頂けたら、何よりうれしいです。
      ありがとうございます!

瀧澤比佐乃

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★編集部★ レポーターとして奮闘中の主婦です。

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